妖精さんの独り言 5−6

月星座とバイオダイナミック農法


 残念なことに、話はさらに怪しい方向へ(TT) 最後に紹介するのは、ルドルフ・シュタイナーがヨーロッパの伝承農法をもとに、独自の観点からヒントを残し、お弟子さんたちが実践的に研究し、体系立てた「バイオダイナミック農法」です。その中でも、一日ずつあるいは一時間ずつ作物の播種や植付け、中耕、収穫のタイミングをずらして、天体の運行と植物の生長の関係を調べ上げた、マリア・トゥーンという方の著書、『マリア・トゥーンの天体エネルギー栽培法 〜進化したバイオダイナミック農法実践本』(マリア・トゥーン著 ホメオパシー出版)の文章を引用してみましょう。


 「すべての有機的なプロセスは「時間」のなかで繰り返されるということを私たちは知っています。このような経過は、ある一定のリズムで戻ってくることが多いのです。最もよく知られているのは昼と夜のリズムで、これが人間の意識に非常に大きな差(目覚めている状態、睡眠、夢を見ている状態)を生じさせているのです。この昼と夜のリズムが起きるのは、地球が自転しているからです。太陽に向いている側は昼で、その反対側が夜です。

 1年の経過もまた、たえず繰り返すリズムです。地球は1年をかけて太陽の周りを移動します。1月初旬、地球は近日点におり、7月の初めには遠日点にいます。

 春夏秋冬の季節の移り変わりは地軸の傾きによって生じます。地球の回転軸は地球の軌道面に対して垂直ではなく、約66°傾いているため、完全に暗黒になる冬と、明るさが絶え間なく続く夏とが交互に入れ替わるのです。その間に、穏やかな季節である春と秋があります。これに対し赤道直下では、昼と夜の長さは一年中変わらず全く同じ長さ、つまり12時間ずつです。

 地球上の生命プロセスは、地球と太陽の関係に左右される季節のほかに、ほかの惑星と月のリズムにも影響されています。惑星とは水星、金星、火星、木星土星天王星海王星冥王星です。植物は、太陽と月、そして惑星から放出されている波動を、自らの「体」の形成と成長を通じて体現する(たとえばレタスの結球)のです。また、蛋白質、脂肪、炭水化物、塩の含有量もこれによって決定されます。

 私たちが研究を進めていくうちに、ある根本法則がどんどん明らかになっていきました。十二宮の星座が、植物の成長に関して大きな意味を持っているのです。植物たちは太陽、月、惑星に反応し、これらの天体は古典的元素である熱、光/空気、水、土(地水火風の四元素?)を通じて自らの力を植物たちに伝えています。種まきの時期・・・いつ種を大地にゆだねるか・・・が最も大きく影響します。栽培時期・・・いつその植物を別の場所に植え替えるか・・・も同等に大きな意味があります。この時期が、種まきの時期の波動を強めたり弱めたりするからです。

 同様に、耕しの時期も重要です。耕すことによって、宇宙からの波動が入るよう、大地を開くからです。この時期が妥当であれば、植物の成長は活発になります。

 また非常に決定的な意味を持つのは、収穫の時期です。たとえば種子や、その植物の繁殖を担う部分を、不適切な時期に収穫すると、翌年は病気になったり成長が弱々しくなったりします。貯蔵用の作物を不適切な宇宙の波動の下で収穫すると貯蔵しても腐敗しやすいのです。」(p.10-12)


 「星座と関連する月

 月は27.3日で地球の周りを一周します。この間に、月は十二宮の星座の前を通り過ぎます。2日から4日かけて、月はある星座から隣の星座へと移動します。月は各宮の前を通るとき、古典的四大元素(熱、空気/光、水、土)を通じてその星座の力を地球に伝えています。(次頁の図)

 3つの星座で1つの三角形が形成されています。黄道の星座は十二宮なので、3つの星座を含む三角形が4つできます。それぞれの三角形には古典的元素が1つ当てはめられています。

 最初のころは私たちも、植物調査には気候の観察が必要であることを、なんとなく感じているだけでしたが、観察をするうちにすぐにわかったのは、ここにも規則性があるということでした。植物の葉がよく成長したのは、その種をまいた日が水気と密接な関係があったときでした。一月のうち、湿度が最高の日と降水量が最高の日は「葉の日」だったのです。気候の観察からはまた、古典的四大元素が植物の体をつかさどることがわかりました。(次頁の図)

 先に述べたように、月は2〜4日ごとに隣の星座の前に行きます。これは、2〜4日で個々の波動が入れ替わることを意味しています。月は約9日間で、同じタイプの3つの星座からなる力の三角形の一つの前を移動し、その間は同じ波動が続くのです。私たちは三角形のリズムに合わせて土を耕したり砂利をまいたりすることで、種子が受け取った波動に新たな刺激を送るのです。」(p.12-14)


植物研究と気候観察の結果から得られた規則性

星 座  四大元素  局地気候     植物の器官

魚 座  水     多湿/降水あり    葉
牡羊座  熱     暖かい        実
牡牛座  土     涼しい/寒い     根
双子座  空気/光  風がある/明るい   花
蟹 座  水     多湿/降水あり    葉
獅子座  熱     暖かい        実/種
乙女座  土     涼しい/寒い     根
天秤座  空気/光  風がある/明るい   花
蠍 座  水     多湿/降水あり    葉
射手座  熱     暖かい        実
山羊座  土     涼しい/寒い     根
水瓶座  空気/光  風がある/明るい   花   


 う〜ん・・・月齢と植物の関係なら、まだ理解できるような気もしたのですが、さらに月星座の影響となると、う〜ん・・・。ちなみに、星占いで俗に言う星座というのは、黄道(=地球から見た太陽の通り道)の上に並んでいる12の星座を指し、ある時期に地球から見て太陽の背後にある星座が、その時期の「星座」ということになります。同じように、地球から月を見た時に、その背後にある星座が「月星座」ということになります。黄道白道(地球から見た月の通り道)は、かなり一致しているので、太陽星座? と月星座は一致します。ただ、1年で12星座を巡るか、約1カ月で12星座を巡るかの違いがあるので、上記の通り、太陽星座の場合はほぼ一カ月で一つの星座の前を通り過ぎますが、月星座では2〜4日で一つの星座の前を通り過ぎることになります。そして、バイオダイナミック農法では、太陽や月は、その背後にある星座(銀河あるいは宇宙のその方向)のエネルギーを集めて、地球に送る働きをしていると考えられています。


 大まかにトゥーンさんの主張をまとめると、播種に関しては、根菜は「根の日」(牡牛座、乙女座、山羊座)、葉菜は「葉の日」(魚座、蟹座、蠍座)、果菜・豆類・穀物は「実の日」(牡羊座、獅子座、射手座)、花は「花の日」(双子座、天秤座、水瓶座)に播くのが良いそうなのですが、なぜかカリフラワーは「葉の日」、ブロッコリーは「花の日」に播いた方が成績が良いのだとか!? な〜ぜ〜?


 中耕・・・つまり、播種後や定植後に植物の周りを耕したり土寄せしたりする作業についても、基本的には、播種と同じようにその植物に合った日を選ぶのが良いそうなのですが、それ以外にも面白い・・・いや怪しいことを言ってはるので、引用してみましょう。


「土を耕す作業

 土を動かすとき、つまり耕すときも種まきのときも、宇宙の力が地の中に入り、植物の成長に対してポジティブにもネガティブにも影響を与えることができます。したがって、それぞれの植物にとって適切な日を選ぶことがとても重要なのです。適切な日を利用するために悪い天候条件を避けるためには、月がまた同じ力の三角形の前に戻ってくるまで約9日間待つことになります。

 もし不適切な日に植物の周りを耕すと、適切な種まきの日や植え付けの日に得たポジティブな効果が弱まってしまいます。

 耕す作業の際にも、種まきのときに得たのと同じ波動が望まれます。たとえばレタスの種は葉の日にまかれ、葉の日にその周りが耕されます。

 私たちが掘る深さは約3㎝です。それ以上掘るのはお勧めしません。こうして窒素の多い空気を土の中へ入れることができます。

 秋に畑を耕作すると、土の中には十分バクテリアが生息でき、このバクテリアが窒素を土(とそれに付随するもの)とむすびつけることができます。そのようなわけで、私たちの経験上、耕すという作業は、ある意味、肥料のような効果を生むのです。

 また、耕す作業には、時間帯の特徴も利用しましょう。朝、土は息を吐き出しています。そのため、朝に土を耕すと、水分が過剰な土は湿気を吐き出すことができます。夜、土は息を吸い込んでいます。そのため土を夜耕すと、乾きすぎた土が周囲の湿気を吸い込み、土中に水分を送り込むことができます。


 耕す作業を比較すると、次のような結果が出ました。
・・根の日に耕すと窒素の結合が促進され、
・・葉の日に耕すとカルシウム代謝を活発にし、
・・花の日に耕すとカリウムとリンの活動が活発になり、
・・実の日に耕すと硫黄プロセスが活性化する。」(p.23-24)


 収穫に関しても、播種と同様で、それぞれの植物に合った日に収穫すれば保存が良くなると言います。唯一の例外は葉菜で、保存する際には、「葉の日」ではなく「花の日」か「実の日」に収穫する方がいいそうです。


 この本には、これ以外にも、もっと怪しいメソッドが満載なのですが、趣旨としては、月星座に合わせて植物を育てることによって、効果的に宇宙エネルギーを取り込み、栄養満点でヴァイブレーションの高い野菜を収穫することができる・・・ということのようです。まあ、アナスタシアさんの話と重なる部分もあるようですが、何しろ自分で実際にやって確かめてみないことには、何とも言えません。ちなみに、トゥーンさんが毎年作っている「種まきの日」という農事暦は、日本ではぽっこわっぱ舎というところが翻訳していて、毎年3月か4月くらいに、『種まきカレンダー』のタイトルでイザラ書房から出版されています。

 
まあ、植物が宇宙エネルギーの影響を受けており、また宇宙エネルギーを利用して栽培することができるとしたら、私たち人間も、同じように宇宙エネルギーの影響を受けていて、宇宙エネルギーを利用した教育を行うことも可能なのではないか? と言えそうですが、そうなると、むしろ「占星学(アストロロジー)」を勉強しなくてはならないかもしれません。天体の運行と人間の運命や世界の動きとの関係を研究してきたのが「占星学」であり、日本でも安倍晴明以来の伝統が知られていますが、天体の運行との関わりがあまり感じられない「太陽暦」を導入し、地動説というドグマによって地球と他の惑星のダンスを見えなくしてきた存在が、同じように「占星学」に「非科学的」というレッテルを張り、私たちと宇宙のつながりを断ち切ってきたようにも思えます。そのつながりを、もう一度、取り戻す時期に来ているのではないか? というのが私の希望的観測だったりします。


おわりに

 地動説から天動説へ・・・どころか、惑星軌道の幾何学的配置、太陽暦太陰暦、月と農業、月星座とバイオダイナミック農業・・・と、あらぬ方向に展開して、ヴォイジャーのように太陽系外に飛び出してしまいましたが、最後にダメ押し? 最近、人間のDNAの2重螺旋は、元々は12重螺旋だったものが、悪い宇宙人? によって切断されて、本来の能力を発揮できないようにされたのだ!? みたいな話が、インターネット上の怪しいサイトで語られるようになってきました。そして、魚座の時代から水瓶座の時代へ移行しつつある今、その12重螺旋が修復されて、私たち人類は本来の能力を取り戻すのだと!?


 まあ、これが本当か嘘かは分かりませんが、マクロコスモスとミクロコスモスの照応で考えるなら、太陽暦や地動説が示唆してきた太陽と地球の1対1の関係性(二元的関係)を表わす2重螺旋が、他の惑星や月との関係を踏まえた12重螺旋に進化していくのだと考えると面白いかもしれません。