妖精さんの独り言 2−1

 昨夜も、真夜中に目覚めて窓から夜空を見上げると・・・
昨日よりも細かい目のネットが・・・というか、見方によっては、
岩盤に入った亀裂? という感じもしないでもないけど、
そういうものが見えた。


 そして、朝、起きる直前には、目の前の視界のなかに無数の光の点が・・・
私の視覚認知機能に何かが起きているのは確かみたいだけど、
いったい、何なのか? どうなっていくのか?


 あ、あと夢のなかで、自分の身体に何か強烈なエネルギーが入るのも経験。
というか、一瞬、躊躇して、「エイ!」と思って受け入れたら、
身体が爆発したような感じ。う〜ん・・・


 で、台風のなか、気圧が低いせいか、ぐったりして(いや、過労かな?)
昼寝していたら、体外離脱というか、夢のなかで飛んでいる自覚が生じたので、
「よし! パートナーのいるところまで、飛んでいくぞ!」と思って、
飛んでいったんだけど、誰かにめぐり合う前に、力尽きて墜落(TT)


 夏が終わった後に、遅刻して地上に出てきたヒグラシが、
一生懸命、電柱にとまって鳴くんだけど・・・
「あれ? 誰もいないぞ!? ガーン!!」みたいな感じ。


 あるいは、「しまった! 寝過ごした!」というアゲハチョウが、
そこらじゅう飛び回って相手を探すんだけど・・・
「キャー! 誰もいない! どうしよう!?」みたいな感じ!?


う〜ん・・・


 そんなこんなで、家で飼っている? というか、ダニを食べてくれるので、
放置している蜘蛛さんに手を出して、遊んでもらっていたら、
いきなり、顔に向かって跳んできて、口のあたりに激突・・・
ええっと、口付けですか? 
いやいや、チョッカイにぶちきれて、反撃に出た感じだったんだけど・・・
なかなかやりよる!


閑話休題。独り言の続きをどうぞ!?




◆虫さんたちと私◆


 Wさんの講義・・・妖精さん的には、蜜蜂さんたちが気になったり、鶯さんたちの囀りが気になったり、得体の知れない鳥の鳴き声が気になったり・・・で、多動児のようにごそごそしていましたが、えっと、講義を聞いていなかったわけではなくて、蜜蜂の羽音と鶯の囀りとWさんの喋りを同時に聞く・・・という聖徳太子になる訓練をしていました。


 ちなみに、朝、コミュニティーセンターのところで待ち合わせをしている時に、なぜか目の前の地面をヨタヨタ歩いている蜜蜂さんがいて、「どうしたん?」と拾い上げたら、なんか額のところに赤い印があって、「え?」と思う間もなく、ブーンと飛んで行った・・・ということがありました。Wさんのところに蜜蜂の巣箱があるとは知らなかったのですが・・・半径2キロの行動半径を考えると、わざわざ御出迎えに来てくれたのかしら? みたいな気もします。その割に、巣箱のところへ挨拶に行っても、素っ気なくてぜんぜん相手にしてくれないのですが・・・まあ、蜜や花粉を集めるのに忙しくて、変なおじさんを相手にする暇がなかったのでしょう。


 実は、そういうことがこれまでにも何度かあって、去年、農業大学校へ願書を出しに行った時にも、車で帰る途中に交差点で待っていたら、運転席のウィンドウにぶつかって墜落する蜜蜂さんがいて、「おいおい、大丈夫かい?」とドアーを開けて様子を見たら、路上からヨタヨタと飛んで行った・・・ということがありました。で、いざ入学してみると、あちこちに巣箱が置いてあって、休憩時間には蜜蜂さんたちの様子を観察する・・・というのが1年間のルーチンになりました。特に夏場は、巣箱の中が暑くなるので、中にいる蜜蜂さんたちも外に出て、狭い入口にお尻を向けて、羽根を震わせて、扇風機のように外気を送り込んでいる姿が見られます。それを見ると、「この人たち、本当に頭が良いよなあ・・・」と思ったりします。


 とか何とか言いながら、家の庭や家庭菜園では、蜜蜂さんよりも、キイロスズメバチさん? の姿を見かけることが多くて、特に晩秋は、暖かいところで日向ぼっこをしていたり、何匹かでレスリングをして遊んでいたりするのを、日長一日、眺めることもあります。よく観察してみると、前脚で触覚をなでなでしたり、複眼をこすったり、顔を洗ったり、歯磨きしたり、手を舐めたりして、人間そっくりの仕草をしていたりします。それを見ると、「この人たち、実は宇宙人?」って、思ったりするのですが、本当のところはどうなんでしょう? この人たちも、「刺される!」とか思われて、嫌われることが多いんですが、こちらが驚いたり恐怖したりしない限り、襲ってくることはありません。畑では、いつも青虫パトロールをして、野菜を守ってくれているので、ありがたい存在だったりします。


 で、この春には、なぜかうちの庭にオオスズメバチの女王蜂と思しき人が飛来してきて、レタスにとまってゴソゴソしてはったので、「ごめんね! ここには巣は作らないでね!」と話しかけたら、話が通じたのか、すぐにブーンと飛び去って行きました。昔、数百人相手に講義をしていたときに、教室にオオスズメバチが飛び込んできたことがあって、「ちょっと待ってくださいね。そっちの窓を開けて、出ていってくれるように頼んでみましょう」と言って、パニックに陥っているオオスズメバチさんに念を送ってしばらく待っていたら、開けた窓から出ていって、学生たちから拍手されたことがありますが・・・多分、学生たちは講義の内容はとっくの昔に忘れてしまっていても、「あの変な先生、スズメバチと会話しとったなあ」というのは覚えているかもしれません。ちなみに私も、W先生の話しておられたことは忘却の彼方ですが、蜜蜂の巣箱の様子の方ははっきり覚えていたりして・・・すみません(TT)。


 他にも面白い人たち・・・じゃなくて、虫さんたちは沢山いて、この間は通勤中の車のフロントガラスに、なぜかキュウリやカボチャの害虫であるウリハムシさん(数ミリ)がとまっていたのだけれど、この人がまた、オレンジ色の頭に黒い目がついていて、「なんかのアニメのキャラクターかしら?」みたいな姿で、前述のキイロスズメバチさんと同じように、前脚で目をこすったり、触覚を撫でまわしたりするので、何と言うか「ウリハムシ萌ええ〜」という感じに。まあ、妖精さんからの許可がおりないので、ウリハムシさんは基本的に放置なんですが、あんなに可愛いと、ますます退治できなくなります。


 それから、うちの畑では、斑点米の元凶として嫌われているミナミアオカメムシさんたちが大量発生していて、植えている枝豆さんたちに被害が出たらどうしよう?(枝豆の胚をチュッと吸ったら、それで枝豆さんは終わりです)と思ったので、この人たちに関しても、妖精さんにお伺いを立てたのですが、「放っておきたまえ!」と言われました。そうしたら、なぜか1匹のミナミアオカメムシさんが、目の前の枝豆にプーンと飛んできて、なんか申し訳なさそうにモジモジしていたりするので、これまた「まあ、反省の態度が見えるし、許してつかわそう!」みたいな。で、翌年、花が咲いているカラシナを良く見たら、一株で9組くらいのカップルが結婚してはっていて、「この人たちの子どもが孵ったら、いったいこの畑はどうなるの?」と思って、もう一度、妖精さんにお伺いを立てたのですが、やっぱり「放っておきなさい」としか返ってきませんでした。「これでもしミナミアオカメムシ人口爆発が起こって、枝豆が全滅したら、妖精さんをとっちめてやろう!」と思っていたのですが、なぜか、綺麗な枝豆が収穫できました・・・妖精さん、侮るべからずなんですが、なんでミナミアオカメムシさんたちが沢山いるのに、枝豆の被害が皆無だったのかは、今もって謎だったりします。


 最近は、暗くなってから帰宅すると、家の玄関の前で、大きな蜘蛛さん・・・両脚をひろげると8センチくらいなんだけど、まだ子どもで、さらに成長すると12,3センチになる人・・・が出迎えてくれることがあって、前から2番目の脚を指でつんつんしてハイタッチ? をしてコンタクトしたりしています。まあ、家のなかにゴキブリさんたちが入らないように守ってくれているみたいなので、「ご苦労さん! 他の人には見つからないように隠れているんだぞ!」としゃべりかけていたら、玄関のなかにいた父が、「おい、そこに誰かいるのか?」と言って怪しんでしました。さすがに、「うん、巨大な蜘蛛さんがおったから、話とったんよ!」と正直に言うわけにもいかず、「え? 何?」と誤魔化したんですが、う〜ん・・・


 そう言えば、昔、京都の古いアパートに住んでいて、夜中、なぜか急に眼が覚めて、身を起して電灯をつけたら、今まで寝ていた枕の上に巨大なムカデがいて、「殺したりしないから、そっちのベランダから出ていってね!」とお願いしたら、なぜか素直に? 部屋から出ていってくれたということもありました。それ以来、ムカデさんにも、誠意を持って頼めば、話を聞いてもらえる!? と認識するようになりました。まあ、ムカデさんに刺されたら痛いらしいのですが、基本的には害虫を食べてくれる人なので、畑で見かけても「いつもありがとう!」と声をかけて、手を振っていたりします。


 それ以外にも、ダンゴムシとかワラジムシとかミミズさんとかオケラさんとかチャコウラナメクジさんとか地蜘蛛さんとかゴミ虫さんとか・・・色んな人たちがうちの畑で蠢いていますが、どの人たちもよく観察してみると、お茶目で面白かったりします。基本的に、虫さんは大好きなのですが、どうも最近、不快害虫とか作物害虫と言われる人たちと懇意になることが多くて、「これでいいのか? これでいいのだ!?」という感じです。というか、ますます縁遠くなってしまうような嫌な予感が・・・。


 さて、長々と、ヌメヌメと、モゾモゾと、虫の話をしてきましたが、今回は、ミシェル・スモール・ライトさんの『ペレランドラ・ガーデン・ワークブック』から、虫さんたち(害虫さんたち)との付き合いについて書かれた章を紹介します。雲風農園(Umpoo Garden)も、ミシェルさんのメソッドのおかげで、2年目にして虫さんたちと鳥さんたちと蛙さんたち・・・の楽園になってきました。このあいだ、ふと思ったのは、おそらく2畝の畑のなかに、数千匹の地蜘蛛さんや蚯蚓さん、蛞蝓さん、数万匹の団子虫さん、数億匹の線虫さん・・・たちがいて、日々、畑の土づくりや有機物の分解をして、時々、葉っぱや実を齧って悪さしたりしながら、植物さんたちの生長を助けているとしたら・・・トヨタ・グループよりもずっと従業員の数が多いんじゃないか!? 勝った!(何に?) みたいなこと。さらに、畑にやってくるお客さん、もとい雀や鳩や烏などの鳥さんたちの数も、1日当たりの延べで考えたら、千羽のオーダーかもしれないし(いや、ほとんどの人がリピーターみたいですが)、なかなかいい感じになってきたのではないかなあ!?