妖精さんの独り言 3−6

妖精さんの読書案内◆

 前々回に引き続いて、農業関連の面白い本を紹介します・・・というか、農業関連以外の蔵書はほとんど処分してしまったので、紹介できません。前項に関しては「マインド・マッピング」から「学習する組織」まで、そのままのタイトルの本が出ているので、興味のある方はブックオフで探してみてください。ちなみに、『学習する組織』という本は、グループの発達段階にも触れていたかな?


 妖精さん農業の実践面で参考にしている本としては、まず、『家庭菜園の不耕起栽培 〜「根穴」構造と微生物を生かす』(水口文夫著 農文協)があります。昔から持っていた本なのですが、最近になって読み返した時に、「収穫後の残渣は、地上部を植木ばさみで切り刻んで、その場の有機物マルチにすればよい。根はそのまま地中で枯らせば、根穴構造を生かすことができる」と書いてあるのを発見して、「これだ!」と思って雲風農園に採り入れています。残渣を切り刻んだ後も、根菜類以外は深く耕す必要がないので、収穫が終わる前に、次作の苗の定植や播種を行うこともできて、一石三鳥くらいの御利益があります。

家庭菜園の不耕起栽培―「根穴」と微生物を生かす (コツのコツシリーズ)

家庭菜園の不耕起栽培―「根穴」と微生物を生かす (コツのコツシリーズ)


 次に、『青木流 野菜のシンプル栽培 〜ムダを省いて手取りが増える』(青木恒男著 農文協)ですが、この本は、経営計画や栽培計画を立てる上で、非常に参考になります。元は工場で働いておられて、その生産管理の技術を農業に生かして、徹底した合理化と効率化を図りつつ、輪作を生かして土壌条件を改善し、減肥料と減農薬でコストを大幅に下げながら、環境に優しく持続的な農業を行う・・・様々な工夫が紹介されていて、面白い本です。

青木流 野菜のシンプル栽培―ムダを省いて手取りが増える

青木流 野菜のシンプル栽培―ムダを省いて手取りが増える


 続いて、『絵で見る おいしい野菜の見分け方・育て方』(武田健著 農文協)は、「おいしい野菜」を育てるにはどうしたらいいか? というテーマで書かれた、唯一に近い本です。糖度計を使った汁液診断で、植物の生育状況を把握して、きめの細かい施肥・灌水管理を行なって、未然に病気や害虫を防いでいきながら、「美味しさ」を追求するという本です。

絵で見る おいしい野菜の見分け方・育て方

絵で見る おいしい野菜の見分け方・育て方


 『発酵肥料で健康菜園』(薄上秀男著 農文協)は、農薬で身体を壊した後、独自の食事療法で健康を取り戻し、その経験を農業にも応用して、発酵肥料(ぼかし)を使った栽培方法を確立された方の本です。特に目から鱗だったのは、四季の変化に応じて、自然界では、酵母菌→乳酸菌→納豆菌→乳酸菌→酵母菌→放線菌というふうに、優勢になる菌が遷移するという指摘でした。また、微量ミネラルの過不足が、植物の健康にも人間の健康にも影響を与えるという指摘にも、「なるほど」と思いました。

発酵肥料で健康菜園

発酵肥料で健康菜園


 このへんから、怪しい本の紹介に移りますが・・・『マリア・トゥーンの天体エネルギー栽培法』(マリア・トゥーン著 ホメオパシー出版)は、ルドルフ・シュタイナーの「バイオダイナミック農法」の実際について、分かりやすくまとめてある本です。と言うか、月星座に基づいた独特の栽培暦に沿って農作業を行うことで、宇宙エネルギーに満ちた野菜を作るという、野心的な内容です。

マリア・トゥーンの天体エネルギー栽培法 新装版 (ホメオパシー農業選書)

マリア・トゥーンの天体エネルギー栽培法 新装版 (ホメオパシー農業選書)


 そのシュタイナーの農業思想をまとめた本が、『農業講座』(ルドルフ・シュタイナー著 イザラ書房)です。シュタイナーは、日本では「シュタイナー教育」で有名な方ですが、教育や農業以外にも、経済、医学、社会学など、あらゆる分野についての講義や著作を残しています。彼の「バイオダイナミック農法」は、土壌や作物や家畜の霊的な次元に着目し、天体からのエネルギーの影響を考慮しながら栽培を進めていくという、独特の観点に立っています。

農業講座―農業を豊かにするための精神科学的な基礎

農業講座―農業を豊かにするための精神科学的な基礎


 最後に、ロシアはシベリアの妖精さん? 『アナスタシア』(ウラジミール・メグレ著 ナチュラルスピリット)ですが、こちらはシベリアのタイガの森に住む美女の話で、ところどころでロシアのダーチュニク(菜園家)への助言というかたちで、植物の栽培に関する面白いアイデアが語られています。また機会があれば、紹介してみることにしましょう。

アナスタシア (響きわたるシベリア杉 シリーズ1)

アナスタシア (響きわたるシベリア杉 シリーズ1)