妖精さんの独り言 4−5

土地との調和


 自分のまわりの風景や自然霊、土地の天使たちを意識することは、人生の質を向上させます。自分が住んでいたり、仕事をしている場所の詳細な地図を手に入れるように、私は友人たちやワークショップ参加者たちに勧めています。とくに、町が発展して建物などが密集している場所に住んでいる人たちは、まだ土地が開発されていなかった頃の地図を手に入れるべきです。


 これらの地図を見ると、地形の輪郭など、実際の感覚がつかめます。昔の水源地とか、丘や坂があったところに目を向けてみましょう。そして、自分の土地にいるすべての精霊たちを意識してみましょう。


 その土地の風景に手を加えたり、新しい建物を建てたり、庭を造ったりする場合には、それを実施する前に、その土地、植物、動物などの精霊につながり、彼らの意見を聞くのが最も良い方法です。たとえば、自然霊たちは美しく設えた庭園の中でも、自然が残された場所を好みます。スロベニアの彫刻家であり、土地の精霊たちの研究者であるマルコ・ポガチニックによると、「野原がそのままの栄養素を保つためには、野生の垣根も残すべきです。これがないとノーム(地の精霊)や成長のエレメンタルは土地に根を下ろすことができません。作物は育ちますが、本当の精気は養われません」とのことです。


 自然霊たちのニーズに対し、しっかりとした意識を持っている生態系農業や、人智学的なアプローチを持つ園芸の流派もあります。この意識改革の先駆者がフィンドホーン・ファンデーションでした。彼らの農業や園芸へのアプローチの基盤にあるのは、地球それ自身に生命が宿っているという理解です。さまざまな種類の精霊たち・・・牧神のパン、植物の精霊、ノーム、天候の精霊・・・すべてが彼らの仕事に関わっています。彼らは自然の全般的なサイクル、季節のリズム、月の位相などの重要性も理解し、農業計画を作成したりそれを実行に移すとき、これらすべてを念頭に置いています。いうまでもなく、それは有機農法で行われ、化学肥料はいっさい使いません。結果として、野菜はヘルシーで生命エネルギーに満ちています。花も素晴らしいものです。私はそのような場所にいると、大地が肯定的な意志をあらわして光り輝いているのが見えます。


土地の精霊との協力


 このエクササイズはあなたが何かを建てようとしているか、庭や風景に変化を加える計画があるときのものです。まず最初に、庭のデザイン、家の建築や都市計画の全体像をチェックしてみるところから始めます。さまざまな異なった可能性があることを意識してください。


 いつものように心を静め、今から始めようとしている仕事について意識を持っていきます。充分な時間をとって、どのような結果を期待しているのか思い描きます。


 次に、対象となる場所の風景に意識を向けます。しばらく、その感覚を味わいます。地形を見ましょう。どのような土、岩石や粘土が下にあるでしょうか。植物や動物にも意識を向けます。


 この地域の一部である精霊たちに意識を向けます。暖かい挨拶をして、彼らが来てくれたことに感謝します。しばらく、彼らを感覚的に捉えることに集中してください。彼らに何かの意思表示をするように導かれているでしょうか。もし、それがよいと思えたら、そのように意思表示してみます。生命を感じ取り、彼らの仲間になります。


 今の環境やそこの住民としっくりと馴染むまで、このエクササイズを何回か行ってみましょう。つながりがしっかりできたと思えたら、以下に進んでください。


 黙想をして波動を合わせましょう。つながりができたと思えたら、精霊たちに、彼らの空間であなたが建物を建てるとか、ガーデニングを行ないたい旨を伝えましょう。彼らの迷惑になることを謝り、彼らのアドバイスに従うという意志を伝えてください。


 静かに座り、どう感じるか、どのような印象を受けたか確認します。普通の状況では、彼らは喜んで協力してくれると感じられるはずです。ある特定の場所だと、特定の木のノームなどから抵抗を感じることもあります。気持ちのよい合意が得られるように行ってみてください。


 このエクササイズを何回か行いましょう。受けた印象については真摯に受け止めてください。


 もし、頑強に抵抗する精霊たちがいても、どうしても建物を建てたり、土地を利用する必要があるのであれば、次のようにして、さらに偉大な精霊を呼ぶ必要があります。


 先に述べた方法を全部実行してから、抵抗する精霊たちを意識します。彼らに迷惑を及ぼすことを謝ってください。そして、土地の天使であり、癒しを施す牧神パンがそこに存在し、困った人を助けてくれるということを思いつつ、招待します。癒しの天使とつながり、ここに来てくれたことにお礼を述べます。抵抗する精霊がいて困っているということを、はっきりとこの天使に伝えます。天使に謝り、困っているあなたの仕事の精霊が前進できるようにサポートを頼みます。困っている精霊はその場に磁気的に縛られていて、持っている青写真が完成されるまで解放されないのだということを理解してください。


 さらに、天使がこの小さな精霊を助けていることを意識します。それから、感謝の意を表します。この状況について考えながら、何か感謝の気持ちを形にしたいと思うかもしれません。そう感じられたら、そのようにしてください。


 もし、あなたが心の痛むようなひどい扱いをされた土地に遭遇したら、あなたはその土地を癒し、再生させるために何かできないかと思うかもしれません。


土地を癒す


 傷ついた土地と苦しんでいるその精霊について静かに黙想してください。彼らに愛と同情をもって、意識を向けてください。人間を代表して謝罪してください。彼らにあなたの愛と悲しみを伝えてください。


 そして前のように、土地の癒しの天使について黙想してください。その天使に波動を合わせ、招待し、ここに来てくれたことに感謝してください。環境を見守り、そしてけてくれるように頼みましょう。


 しばらく、その風景の中で精霊や天使たちとともに座ります。癒しをもたらすために何ができるか黙想してみます。イメージや考えが浮かんだら、謙虚に受け取りましょう。特定の場所に何かを植えるようにとか、その場所に何か芸術品を創るように、または歌をうたってほしいと言われるかもしれません。何か儀式を行なったり、定期的に黙想してほしい、またはヒーリングをしてほしいと言われるかもしれません。何をすべきかはっきりするまで、このエクササイズを何回か繰り返す必要があるかもしれません。それが何かが分かったら、行動に移します。最後は謝罪と同時に、お礼を述べます。(p.161−165)


 土地の妖精さんの声に耳を傾けるということは、その土地の本来のヴィジョンを掘り起こすということでもあります。土地の歴史を調べたり、あるいは古くからそこに住む人たちの話を聞いたりすることも、土地の妖精さんとの「共同創造作業」を行なう上では、とても大事なことかもしれません。


 ただし、「土地の癒し」のワークのところで出てきたように、過去の青写真・・・それは妖精自身のものか、あるいは過去に誰かに頼まれたものか・・・に縛られて、動けなくなっていたり、新しいものに抵抗したりする妖精さん(のエネルギー)が存在する場合もあります。そういう場合には、より上位のエネルギー的存在に頼んで、過去の青写真を解除して(俗に言う「願解き」?)、新しい青写真を描けるようにしてもらうことが必要かもしれません。土地の妖精さんとコンタクトして、その協力を仰ぐことで、土地のエネルギーを動かして、より深い次元から地域の再生を図っていくことができたら、面白いかもしれません。まあ、日本の場合は、その土地の産土神様のところへ挨拶に行くのが、基本かもしれませんね。